2013年8月27日火曜日

「三坂玲奈チャンに質問」という動画

どうも粉末です。
大阪から東京へ転職?することになりまして
(しばらくフリーですが)

あれこれ、結構忙しい日々でございます。

さて、今日はこの動画について少しお話を。



需要と供給。

映像制作を仕事にするとなると
もちろん楽しい仕事も楽しくない仕事も
しっかりポチポチやっていかねばなりません。

大学や高校の頃のように、楽しいだけの原理で
映像の魅力を追求しているわけにはいかなくなってきました。

幸か不幸か、あたしには映像の経験しか
取り柄がありませんでしたから
これに20代の青春も捧げる事になりそうです^ ^ ;;

映像って商業だとか、情報を正確に伝える為の使用が多いから
ついつい忘れがちだけど、身近な家族撮影だったり芸術作品だったり
そういった思いや感情を「残す」道具の側面もあるんですよね。
(あたりまえだけど、仕事してると無意識に金儲けの道具に感じてしまう。)

そんな事思っている時
荻原上爾さん作の「三坂玲奈チャンに質問」というグラビア作品に出会った。

グラビア作品ってなんだよ!笑って思う方もいるんじゃないですか。

動画サイトでネタとして転載してあるものを
たまたま再生しただけで、僕も詳しくは知らない。


む〜、これってなんなんだ?


映像はその性質上、流れる内容が全てのため
正確なジャンル分けも出来ないと思うんです。
作者がこれは作品だ!って言っても
「これはただのギャグだろう」と
思う人がいればギャグとして勝手に完結しちゃう...

でも、この映像を見たときに
あぁ、これは作品だ。と僕は思いました。

特にキャプションも無いもんだから
コンセプトもなにも知る事は出来ません。

マニアックなビデオ
ペドフィリア、チャイルドマレスターの類いとして
見る事も容易だし、普通はそう見て
「なんだこいつ、ただのロリコンじゃないか。」
と思うのが普通だと思う。全く問題ない。

僕もこれを見て
「ただのインタビュー映像か」と思ったが
荻原氏のホームページを見てビックリ。

芸術的可能性を探求、作品として発表し
シリーズ化していることに驚いたし
興味が湧いちゃいました。

おふざけではなく
彼は本気(マジ)だったんです。
と、僕は思っただけですが 笑


特に、私が興味深く感じたのは
この作者、撮影者でもある荻原氏の
少女への質問1つ1つの妙な安定感と
達観した観察者としての視線。
そして、観覧車っていう
時間も空間も制限された環境の面白さ。

例えば、少女をモチーフにしたものだと
「成長過程を描いた作品」
「幼さと危うさを問う」とか
そういうのがあったりしますが
これにはなんだか当てはまらない。

ドキュメンタリーのような観察者の評価や
意見、同情、批判も無い。

作者、被写体、共に
何を思っているのか非常に分かり辛いのが
この作品の魅力だ、と勝手に納得。

芸術に対して深い教養を身につけている訳ではないが
鑑賞者次第で、どうとでも受け取れる動画である事は間違いない。

僕も結局のところ「わけが分からない。」
もしかしたら、エンタメとして味わうのが正解だったのかも...?w


だが、一見無意味に感じるであろう映像ほど
この世に存在させた作者の意図が気になって仕方が無い。

きまぐれでや、おふざけではなく「作品」として産まれた以上
鑑賞側も面白いヒミツが隠されているのではないかと疑って
見てみるのもたまには良いのかも知れないですね^^

すこしエンタメとしての映像に疲れていた私には
映像の楽しさを改めて感じさせる良い動画でした。

ぜひ荻原氏のHPから他の作品も鑑賞し
色々な考えを巡らせてみて頂きたいっす。

荻原上爾さん
ART716  http://art716.o.oo7.jp/about.html

5 件のコメント:

  1. 萩原上爾です。ありがとうございます。
    あまりに真摯な批評で驚きした。光栄の至りです。
    殆ど評価されることもなく、批評もないので、
    今僕は作り手として狂喜しています。
    太宰が「己れの作品を解説することはつまらない」
    みたいなこと言ってた記憶があり、それが残ってるのか、
    普段僕は作品を解説していないし、作品と受け止め
    られていなくてもそのまま黙っていました。
    今は狂喜したまま、この作品の全てを話します。
    確かに僕の作品は、グラビアに見せかけた「作品」が
    中にはあります。この作品はそうで、ピタリと当てられました。
    まず、最初は観覧車でグラビアを撮ってみよう、というのが
    制作の意図でした。しかし制作は思い通りに
    いかなかったりします。観覧車に入ってみて撮りだして、
    これはマズいと思いました。狭すぎて、近いんです。
    身体全体が映せない状態。
    これはグラビアは無理だと思いました。脚からバストショット、
    またその逆の繰り返しなんてことは出来ますが、
    それはエロ要素だけのようになり意図ではありません。
    僕は、咄嗟に通常のグラビアを諦め、バストショットの
    長回しをし、後で何か音声を入れる作品化にシフトチェンジしました。
    グラビアは音楽でいいんですが、音楽以外の何かの音声と
    想定しましたが、この段階ではそれ以上は決めてません。
    出来るだけいい顔をしてほしくて、モデルのいい表情の
    うつむきを多くさせ、またしりとりなどしてあえて喋らせました。
    こうして映像を撮り終えてから数日は音声について
    考えました。
    質問形式。
    こう決めました。そして、ただの質問ではつまらない。
    やはり僕は笑いを表現したいとなります。
    司会者の僕は悪役になり、理不尽になり、受けた
    答えを全部腐すようなものにしようと考えました。
    うっとうしく、いやらしいイヤな司会者にしようと。
    だから全ての返しを、否定ニュアンスにしています。
    あくまでも脚本で、実際の僕は「友達は作った方がいいよ~」「
    親友は大事だからね」なんて言う人間ではありません。
    若い頃年上の女にこう言われた経験があり、孤独魂の
    僕は同意出来ねえなぁ、と内心思ってた思い出があり、
    作品では自分がこういう上から目線の人を演じてみました。
    報道ステーションとか、プロ野球とか、マジで腐しては
    炎上が怖いので、発音だけ否定的にしたり、すごい遠回しに
    やらしくバカにしてるよう演じてます。(あ、ニュース番組も
    野球も実際は嫌いではないです)
    そしてどれも、この腐し方が微弱にしてあり、そこがこの
    作品をまたわかりにくくしてるとは思います。
    「パワースポット的なことで好きなんだ?あ~」など、
    文面にしたら伝わらないんですが、やはり言い方や発音には
    こだわりました。「パ」を強く言ったり、「あ~」を下卑た
    声にするだけで否定やバカにした感じが出ます。
    いかに腐せられる答えを言ってくれるかにかかってるので、
    実際のモデルの考える答えとも違います。
    音声録りの前に、くれぐれも本音で答えないでと伝えました。
    台本通り。
    リアル質問に見せかけた脚本という時点で、作品と
    言えると自分でも思います。
    しかし、笑いのためなら、これがリアルと思ってくれても
    いいという気持ちも同時にあります。そこがあるから、
    微妙にしてるということもあるんでしょうね。ですから
    それも言い当てられている批評でした。
    昨夜公開した「玲奈ちゃん、彼氏&友達募集中!」にも
    僕のクレジットには「脚本」とつけています・・
    しかしリアルと取る方はいることでしょう。
    そう、僕の作品はよく「わからない」という感想が多いです。
    僕は「わからない」作品が芸術の世界にはあっていいと
    思ってるのでその感想は真っ当に思います。勿論伝われば
    いいのですが、質が悪いことに作り手が「わからない」風に
    酔ったりもするので・・
    とにかく、作った本人が確信したのは、この作品に関して
    KONAさんは完全にわかっているということです。
    ありがとうございました。精進して頑張ります。
    僕こそ色々学ばせてもらいます!

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  2. コメントありがとうございます。とっても嬉しいです。
    少しカンニングで答えを頂いちゃったみたいで恥ずかしいですね^^;

    作者が語り、身分がわかる健全な人であればあるほど
    作品に余計な固定観念が入ってしまいますもんね。
    鑑賞者に自由な感想を持たせる作者的一貫した姿勢、お見事と言わざるを得ません。

    でも自分の勘が確かで嬉しいです。
    僕の勘というのはあなたがきっと策士だという事です。
    失礼ですが、頭のおかしい人とは思えない。
    仮になにか、ぶっ飛んでいても狂気さに信条を持つ方の様に思いました。
    しかし、自分が考えていたよりも、撮影から編集までのあらゆる点に演出がある事には驚きました。
    正直な所、女の子か萩原さんのどちらかは作品たらしめる誘導を行っているとは思っていましたが
    脚本としてあれだけ自然と不自然を引き出せるのは同じ制作者として賞賛の他ありません。

    本当に本当、僕は全くわかっていませんよ笑
    僕の心に「わからない」と気にさせ、心に残し
    記事にして昇華しないと解消できない気持ちまで引き込ませた
    作品と萩原さんご本人の勝利?だと感じます。

    私こそ荻原さんに比べたら若輩者です。
    真面目な返信に元気も出てきました!
    今後の荻原さんの挑戦、心から楽しみにしております。

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  3. ありがとうございます。
    そうですね。例えば僕の作品に「東京の少女」というものがあるんですが、
    これなんかは寺山修司みたいな狂気モノの想定があったんです。
    とにかく変なもの、わけわからないもの、キワモノ作品。
    しかし作ってみたら意外とマトモなんです。「変」に行き着いても
    狂気にはまだまだ・・
    もっと経験も必要だしもっと本気度も必要だと思います。精進します。
    ただYouTubeの再生数ってほんとわからないものですね。
    本気で作った「東京の少女」よりも、猫と少女をただ散歩させたような動画「
    猫と少女の散歩」の方がずっと人気があるというのは・・
    はい、素通りが悲しいですよね。ん? なんじゃこれは? と立ち止まらせたら
    まず成功の一歩ですね芸術は。
    そういうことを論文でも書いていた岡本太郎を尊敬します。
    はい、自己表現、必死に頑張ります。感謝します!

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    1. 東京少女拝見しました。
      難しいですよね。僕も学生の時にはインターネットでばりばり映像が見れる世代でしたから
      いわゆる「怖い」「不思議」「狂気」とかっていうのに耐性がついてくるんですよね。
      今の視聴者を本気で感動させるものを作る事は本当に難しい事かと思います。

      楽しくなってきたので
      もう少し書きますと、いつも僕が芸術作品を鑑賞する点というのが
      「作者の存在」なんですね。作品はまぁ見たものが全てな訳ですが
      作者が末期がんのおじいちゃんか、健全な学生か、麻薬中毒の女子高生か
      そういった情報が音楽であれ、映像であれ
      実は非常に大きな印象を裏付ける役割を持つと思うんです。

      「東京の少女」は正直申しますとたしかに狂気まで感じませんでした。
      僕の感じ方ひとつなのですが、「三坂玲奈チャンに質問」に比べると
      出演もしていないのに荻原さんの存在を強く感じる作品のように思えます。
      いわゆる意図が出演者を通して見えてしまったからなのでしょうか。
      それでもやはり、少女の俯きが印象深い良い作品だと感じます。

      日本においては特に動物、女、子供は商業でも魅せる為に使うくらい
      ベタに受けが良いですもんね。ちなみに僕は「ひまわり動画」という
      アニメの転載リンクがメインのサイトで荻原さんの映像を知りました。
      案外Youtubeのようなところより、本来作品を投稿しないような
      動画サイトに虚偽的現実を元にしたキワモノ作品として投げてみるのも
      視聴者が構えずに作品を知る良い手なのではないかと感じました。







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  4. ありがとうございます。
    同感です。「検索してはいけない言葉」なんてサイトもあり、もう
    狂気モノでもなんでもありですからね。
    あのサイトに載れればすごいとは思いますけど・・
    なんか厳しいチェックもあるようですね。

    わかります。僕も高校の時太宰を読もうとしたきっかけが彼のプロフィールだったんです。
    自殺未遂何度もとか、愛人と心中とか。
    なんか果てしない興味が湧くんですよね。作品に感動するのは二の次で。
    作品がすべて、というのは理想だけれど、作り手がどんな奴かってことは
    大事になってきてしまうと思います。

    耐性ない人だと「東京の少女」でも音を消したら怖いという感想がありました。
    耐性ありすぎると生ぬるくてまずいかもしれません。
    一応僕もホラー作品が一本あるんですよ。「訪問者は悪魔的」というものです。
    これもリアルの世界の感想で分かれました。全く怖かないって人と、怖くて最後まで観れなかったとか。
    人々のそれぞれの耐性とか気にしてはいられないけど、いつかはやはりMAXモノという腹はあります。
    作れればですが・・

    はい、あとサムネイルはでかいですよね。少女の脚が写ってるのと写ってないのとでは
    違ってくることを実感してしまったし。
    アマチュアでもプロが考えるパッケージのこととか、動画サイトは勉強出来るものですね。

    はい、アニメ系の動画サイトなんで非難も物凄いんですよね。モデルの子にはひまわり動画
    だけは観ない方がいいと言ってます。
    二次元が強烈に好きな人は三次元を極端に否定する人も多いし。
    でもひまわりはほんと非難批判悪口の耐性はつきます。鍛えられます。
    慣れっこになります。
    でも「雨が来るなあ」という作品の演者の方へのYouTubeコメントで辛辣なものがあり、
    そのままにしてたけど演者から「消してください」と来て消したことがありました。
    僕は非難は絶対消さないんですよ。意地でも。「死ね」でも残してます。
    汚い言葉を残したらその人の人間としての恥がずっと残るようであえて・・
    でも演者は普通の人で、耐性なく、麻痺してもいなく、やはり傷ついて消してほしいとなるんですね。
    自分とは違うので驚いてしまいました。

    悪口という海の中にずっといたから、KONAさんの作品への賛辞を最初見た時ど肝抜かれました。
    去年の4月から映像を始めてますが、続けてきてほんと良かったです・・ 感謝します。

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